コラム Column

2024年03月05日

ESG評価・データ提供機関に係る行動規範の受入れ

株式会社Gaia Vision(以下「当社」といいます。)は、金融庁が2022年12月に公表した「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の趣旨に賛同し、これを受け入れる旨を表明致します。

原則1. 品質の確保

■当社方針
当社は、提供する ESG 評価・データの品質確保を図り、必要な基本的手続きを定めます。

  1. ESG評価・データの策定・提供については、合理的に入手が可能と考えられる情報を詳細に分析し、これを行うよう、必要な手続き等を定めること
  2. 質の高いESG評価・データを提供するための組織横断・継続的に適用される手法を定め、これを、機密性・知的財産等に配意しつつ、開示すること
  3. 定めた手法等が組織横断的に一貫して適用されるよう、組織内での浸透を図るほか、適切な体制の下で横断的な検証を行いつつ、知見を蓄積・共有する等の工夫を行うこと
  4. 上記のとおり定めたサービス提供手法について、定期的に、評価結果との間に乖離がないか等を確認し、必要がある場合には改善を図ること(評価に係るPDCAサイクルの実践)
  5. ESG評価手法・データを継続的に管理し、定期的に検証又は更新し、データの取得・更新時期を開示すること(ESG評価・データの基となる評価・データ項目が多岐に渡る場合は、利用者ニーズも踏まえた重要性や有用性を鑑みて対象を集約又は限定するなど、合理的な範囲・方法で対応すること)
  6. ESG評価・データ提供機関がESG評価・データ提供サービスを外部に委託する場合には、委託の内容と重要性に応じて必要に応じ上記1.から5.に相当する内容を委託先に求めるなど、委託先も含めてESG評価・データの品質を確保するために必要な措置を講じること

原則2. 人材の育成

■当社方針
当社は、自らが提供する評価・データ提供サービスの品質を確保するために必要な専門人材等を確保し、また、自社において、専門的能力の育成等を行います。

  1. 適切な評価・データの提供を行うための必要な情報を収集・分析し、意思決定を行うために必要な専門的人材や技術を保持すること
  2. 特に、ESG評価・データの提供に携わる人材が、専門的・職業的な知見を有し、誠実に職務を遂行するよう、必要な措置を講じること
  3. 人材の確保・育成が、質の高い評価を継続していく上で重要であることを、ESG評価・データ提供機関の経営者が認識し、このために必要な対応を講じること

原則3. 独立性の確保・利益相反の管理

■当社方針
当社は、独立して意思決定を行い、自らの組織・オーナーシップ、事業、投資や資金調達、その他役職員の報酬等から生じ得る利益相反に適切に対処できるよう、実効的な方針を定めます。利益相反については、自ら、業務の独立性・客観性・中立性を損なう可能性のある業務・場面を特定し、潜在的な利益相反を回避し、又はリスクを適切に管理・低減します。

  1. 提供するサービスに関して、自らの組織・従業員が行う評価・分析に影響を与え得る利益相反の可能性を特定し、その上で、これらを回避し、又は適切に管理・低減するための実効的な方針を定め、開示すること
  2. ESG評価・データの対象となる企業との他のビジネス関係により、ESG評価・データが影響を受けないことを確保するため、営業と評価の担当・部門間のファイアウォールを構築するなど、適切な手段を講じること
  3. アンケート調査等に基づき評価等を提供する場合について、調査等が不合理に著しく複雑又は理解しづらい場合に、調査等を理解し的確な回答を行うには事実上自らの有償サービスを利用する必要がある、といったことがないよう、調査やサービスの内容・構成について、留意すること
  4. 自らの職員が、ESG評価・データ提供サービスと利益相反が生じ得る有価証券取引やデリバティブ取引を行わないよう、適切な手段を講じること
  5. 自らの職員に関して、適切な業務・報酬体系を整備し、ESG評価・データ提供サービスに係る潜在的な利益相反を回避し、又はリスクを適切に管理・低減を図ること。例えば、必要に応じESG評価・データサービスの営業を担当する職員と別に評価等を行う職員を割り当てること
  6. 評価等の対象となる企業との間に存在する既存のビジネス関係が、評価に影響を与えないようにするために適切な措置を講じること
  7. 発行者負担モデルについては、評価対象となる企業から報酬を受け取るものであり、この点について利益相反を回避するための詳細な手続きを実施すること

原則4. 透明性の確保

■当社方針
当社は、透明性の確保を本質的かつ優先的な課題と認識して、評価等の目的・基本的方法論等、サービス提供に当たっての基本的考え方を一般に明らかにします。また、提供するサービスの策定方法・プロセス等について、十分な開示を行います。

  1. 知的財産権等への必要な配慮は行いつつも、本質的かつ優先的な課題と認識して、自らのサービスに係る透明性を確保すること
  2. ESG評価・データ提供サービスの利用者が、当該評価等が何を捉えることを目的とし、どのようにこれを計測するのかなど、評価等の基本的内容を理解できるよう、評価等の目的・基本的方法論を含むサービス提供に当たっての基本的考え方を開示すること
  3. 評価内容等がどのように決定されるか、利用者・評価対象の企業が基本的な仕組みを理解できるよう、評価等の策定方法・プロセス等について、重要な変更があった場合にはその旨を含め、十分な情報を開示すること。また、窓口を通じ、評価対象となった企業から問合せ等があった場合には、可能な範囲で丁寧な説明を行うこと
  4. ESG評価・データの策定に利用した情報源を開示すること。特に、推計データを用いる場合には、その旨及び推計の基本的な方法を開示すること。いずれの場合においても、情報源等が多岐に渡る場合は、重要性や有用性を鑑みて対象を集約又は限定するなど、合理的な範囲・方法で対応すること
  5. 評価の目的・考え方・基本的方法論の具体的項目として、まとめてわかり易く開示すること。各社の状況や項目の重要性・有用性等を鑑みて対象を集約又は限定するなど、合理的な範囲・方法で対応すること

原則5. 守秘義務

■当社方針
当社は、業務に際して非公開情報を取得する場合には、これを適切に保護するための方針・手続きを定めます。

  1. 守秘を前提としてESG評価・データサービスに関して提供された情報を保護するための方針・手続きを定め、開示・実施すること
  2. 守秘情報について、特段の取決めがない限り、提供目的に沿って、ESG評価・データサービス以外に使われることがないよう、方針・手続きを定め、開示・実施すること

原則6. 企業とのコミュニケーション

■当社方針
当社は、企業からの情報収集が評価機関・企業双方にとって効率的となり、また必要な情報が十分に得られるよう、工夫・改善します。評価等の対象企業から開示される評価等の情報源に重要又は合理的な問題提起があった場合には、ESG 評価・データ提供機関は、これに適切に対処します。

  1. アンケート調査等を通じて、評価対象となる企業から情報を収集する場合、収集時期を十分前に当該企業に伝達することとし、依頼を行うに当たっては、公開情報や過去に提出を受けている情報等の既に知り得た情報が利用可能で、また適切な場合には、評価機関等においてこれらを事前に入力した上で、企業に確認を求めること
  2. 企業がESG評価・データ提供に関して問合せ、問題提起を行うことが出来る統一的な窓口を設置し、対象企業に伝達する、もしくはわかり易い形で掲示しておくこと
  3. 自らの評価手法や顧客対応の方針等を踏まえて、ESG評価・データを開示するに際しては、可能な限り、速やかに当該評価・データの重要な情報源について評価対象企業に通知又は周知し、評価対象の企業がこれらに、事実誤認などの重大な欠陥がないかを確認する時間的猶予を、確保すること
  4. ESG評価・データの対象となる企業から、評価・データの情報源について重要又は合理的な問題提起があった場合には、自らの評価手法や顧客対応の方針等を踏まえて、少なくとも根拠となる重要なデータの正確性を企業が確認することを許容し、誤りがあれば訂正するなど、適時・適切に対処すること
  5. ESG評価・データ提供機関として、自らの提供する評価・データについて、評価等の対象企業と通常どのように関わるかに関する「対話の手順」を開示すること。当該手順には、状況変化による柔軟性も確保しつつ、評価対象の企業にいつ情報提供を依頼するのか、対象企業はいつ何について確認を行うことができ、課題等がある場合にはどのように問題提起を行うことが出来るか、評価機関等は問題提起に対してどう対応し得るか、といった内容を含めること
  6. 自らの評価手法や顧客対応の方針等の下で、利益相反等にも留意しつつ、可能な限り、企業との間で、建設的な対話を行うこと

【2024年3月4日 策定】