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2026年06月09日
2025年の洪水・水害まとめ|大雨による被害と企業・自治体への影響を解説
この記事でわかること
- 2025年に発生した主な洪水・水害の概要
- 2025年8月の低気圧と前線による記録的な大雨被害
- 2025年9月の台風第15号などによる大雨・浸水被害
- 2025年に海外で発生した主な洪水・水害の概要
- 交通・物流・ライフラインに及んだ影響
- 企業活動や自治体対応に及んだ影響
- 2025年の洪水・水害から企業・自治体が学ぶべきこと
- ハザードマップだけでなく「今回の雨」の影響を把握する必要性
- Water Visionの氾濫予測の強み
- まとめ:2025年の水害は、企業の事前判断の重要性を示した
2025年に発生した主な洪水・水害
| 時期 | 主な要因 | 主な地域 | 主な被害・特徴 |
|---|---|---|---|
| 8月 | 低気圧・前線 | 北陸地方、九州地方など | 線状降水帯、大雨特別警報、河川の浸水被害、土砂災害、交通・物流への影響 |
| 9月 | 台風第15号など | 静岡県、神奈川県、関東周辺など | 記録的な大雨、浸水被害、河川氾濫、突風被害、住宅・交通への影響 |
| 11月 | 台風・大雨 | フィリピン、ベトナム、インドネシアなど | 洪水、土砂災害、人的被害、インフラ被害 |
2025年は気温が高い日が続き、東日本と西日本の夏の平均気温は統計開始以来1位の高さとなりました。また、台風の接近や前線の活動を原因とした大雨や、それに伴う洪水や水害も発生しました。本記事では、2025年8月6日から各地で発生した大雨と、台風15号による9月3日から5日にかけて発生した大雨に着目し、交通・物流・企業への被害に焦点を当てて、洪水予測の状況や今後の対策方法について詳しく解説します。
参考:
2025年8月:低気圧と前線による記録的な大雨
8月6日から11日にかけて、前線を伴った低気圧が北日本を通過し、前線が日本海側に停滞しました。この前線に向かって日本海の南から暖かく湿った空気が流れこみ、広範囲で大気の状態が非常に不安定になりました。
これらの影響で、各地で雷を伴った非常に激しい雨が発生しました。6日から7日にかけて石川県で線状降水帯が発生、金沢市では24時間降水量が332mmと観測史上最多を記録しました。8日には前線が南下して鹿児島県で線状降水帯が発生、霧島市に大雨特別警報が発令されるなど猛烈な雨が降りました。9日から11日にかけて前線が九州付近にさらに停滞し、山口県、福岡県、大分県、熊本県、長崎県で線状降水帯が発生、熊本県の7つの自治体に大雨特別警報が発令されました。これらの大雨の影響で、全国19地点で24時間降水量が観測史上最多となり、福岡県宗像市、熊本県の甲佐町と山都町では7日間の総雨量が600mmを超えました(図1)。
この大雨に伴い、10県(秋田県、新潟県、富山県、石川県、島根県、山口県、福岡県、長崎県、熊本県、鹿児島県)の49水系67河川において浸水被害が確認されました。また、土砂災害の影響で7名が亡くなりました。


図1:2025年8月6日から12日にかけての降水量の期間合計値分布図(左)とその拡大地図(右) (出所:国土交通省)
2025年9月:台風第15号などによる大雨と浸水被害
台風15号は9月4日午前3時頃に日本の南で発生し、5日未明に高知県宿毛市付近に上陸、その後和歌山県に上陸して東海地方や関東地方の太平洋沿岸を北東方向に進み、5日夜には日本の東で温帯低気圧に変わりました(図2)。
この台風周辺の暖かく湿った空気の影響で、東海地方や関東甲信地方では大気が非常に不安定になり、記録的な雨が降りました。静岡県と神奈川県では線状降水帯が発生し、静岡県菊川牧之原では1時間に127mmの記録的な大雨が観測されました(図3)。また、静岡県牧之原市から吉田町にかけて推定風速75メートルを超える過去最強規模の竜巻が発生、68名が重軽傷を負い、住宅被害は1000棟を超えたほか、静岡県や茨城県でも突風が発生し、電柱の折損や大型自動車の横転などの被害が発生しました(図4)。また、台風から離れていた東北地方でも暖かく湿った空気の影響で大気が非常に不安定になり、秋田県の24時間雨量は多いところで200mmを超過しました。
この大雨に伴い、浸水被害や土砂災害も発生しました。例えば、東京都品川区立会川では氾濫が発生、また目黒区自由が丘でも浸水被害が確認され、内水氾濫の可能性が指摘されています。静岡県ではさらに7件の土砂災害が発生しています。一連の被害により、全国で84名が重軽傷を負い、86棟が床上浸水、住宅への被害は1296棟に及ぶとされています。
(出所:2025年9月16日時点でのNHK報道)

図2:台風15号の進路図(出所:気象庁)

図3:9月5日12時から15時までの3時間積算解析雨量(出所:気象庁)

図4:立会川橋における立会川氾濫の様子(出所:品川区ライブカメラ)
2025年:海外の洪水・水害
フィリピン:台風25号「カルマエギ」による被害
11月4日、台風25号「カルマエギ」は最大風速41mを伴って、フィリピン中部を通過しました。この影響で、253名が死亡、119名が行方不明、インフラへの被害額は約20.5億円と推定されています。(2025年11月26日時点)
また、同じ台風はのちにベトナム中南部に上陸し、広範囲が洪水と土砂災害に見舞われました。
参考:
インドネシア・スマトラ島での洪水・土砂災害
2025年11月23日から、高い海面水温と、多くの水蒸気を含んだ気流が集まった影響により、東南アジアの広範囲で大雨となりました(図3)。ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、スリランカの広範囲で総降水量が300mmを超えたほか、マラッカ海峡では非常に稀なサイクロンが発生し、インドネシアのスマトラ島に大規模な洪水や地滑りをもたらし、1200名以上が死亡しました。(2026年3月5日時点)

図5:2025年11月の東南アジアを中心とした大気・海洋の状況の概念図(出所:気象庁)
交通・物流・ライフラインへの影響
2025年に日本で見られた水害では、交通・物流・ライフラインといった様々なインフラに影響しました。例えば、8月の大雨では計272便の航空便が欠航、JR九州では約6200本の列車が運休し約38万人に影響が発生、国道と都道府県道が計57区間で通行止めとなりました。また、JR日豊線や肥薩線、肥薩おれんじ鉄道線などが被災し、そのうち肥薩線の吉松隼人間は、復旧が被災から約10ヶ月後の2026年6月末となるなど、大きな影響が出ました。その他にも、58の運送事業者において施設や車両に浸水被害が発生し、地域の交通や物流に支障が発生しました。例えば、ヤマト運輸や佐川急便などの運送事業者においては、貨物列車やフェリーの遅延、幹線道路の通行規制などにより、鹿児島市、霧島市、姶良市などを中心に、九州全域に配送の遅延や集荷の停止などが発生し、この物流の混乱により小売業者の商品の配送や店舗の在庫の供給にも遅延が発生するなど広範囲に影響が及びました。
さらに、九州を中心に停電や断水も多数発生し、住民の生活に大きな影響が出ました。九州電力では被災箇所の復旧だけでなく、被災者を対象に支払い期限の延長や基本料金の免除といった特別措置を講じる事態となったほか、通信事業者のNTTドコモにおいても、大雨の影響で熊本県と大分県の一部エリアで携帯電話サービスが使いづらくなる、もしくは使えなくなるといった通信障害が発生しました。
企業活動・自治体対応に及んだ影響
洪水や水害は企業の活動に幅広い影響をもたらします。従業員の出勤不可、インフラの断絶や店舗・事業所の直接の被災に伴う損害のみならず、取引先の被災による売上の減少や自社への原材料等の供給停止、交通や物流の断絶による損害など、直接自社が被災しなくとも、仕入先や顧客の被災による損害も数多く発生しています。
また、避難の呼びかけや被害の確認を行う自治体の対応にも課題が見つかっています。例えば、熊本県が実施した8月の大雨の初動対応の検証によると、職員の参集や避難所の開設、被災箇所の確認が夜間の警報発表後に行われたケースもあり、これは大雨のピークであったこともあり職員が移動中に被害に遭っていた可能性が指摘されています。また、夜間に大雨特別警報が発令されたため、危険を伴う暗い中での避難の呼びかけを戸惑ったケースや、住民への避難情報の伝達が困難だったケースもありました。
2025年の洪水・水害から企業・自治体が学ぶべきこと
気候変動に伴い大雨の年間発生件数は増加しており、1時間80mm以上の強い雨は1980年頃と比較して約2倍程度に頻度が増加しています。洪水や水害などはいつ、どこでも起こりうる災害として、平時からハザードマップや行政機関からの情報を活用したリスクの把握などの備えは欠かせません。
ただ、2025年の洪水・水害からわかるように、これまでの洪水・水害の対策は実際に被害が発生した後の対応に重点が置かれてきました。このような現状だと、企業にとっては判断が遅れるだけでなく、複数拠点の状況の把握が困難であったり、そもそもハザードマップだけでは実際に現在の雨の影響を把握することが難しいという課題があります。特に、浸水に備えて休業、車両退避、在庫移動などの対応が必要になる企業や、避難情報の発出、避難所の開設、道路や公共施設の管理が必要である自治体にとっては、被害発生前の判断を可能にするため、今回の雨で、いつごろ、どのあたりが、どの程度浸水する可能性があるのかを事前に把握する必要があります。
こうした課題を解決するため、Gaia Visionでは、リアルタイム洪水予報ソリューション「Water Vision」を開発しました。Water Visionは、気象・河川データを用いることで浸水範囲と浸水深を約1.5日先まで可視化し、企業の拠点管理や自治体の避難・初動対応など、被害が出る前の事前判断を支援するリアルタイム洪水予測システムです。
ハザードマップだけでなく「今回の雨」の影響を把握する重要性
今回の8月の豪雨の被害として、8月8日の午前5時頃、鹿児島県霧島市では天降川周辺の低地で浸水が発生しました。霧島ジオパークが午前5時半頃に隼人町日当山地区で撮影した写真では、画像内の人の腰あたりの深さまで水に浸っているのが確認できます。
こちらの地区は、霧島市が公開しているハザードマップ(図7)を参照すると、最大5-10メートルの浸水が発生する地域として指定されています。こちらは平時からの備えと心構えとして把握しておく必要がありますが、いざ大雨が発生した際、「今回の大雨で」実際どの程度の浸水リスクがあるのかを把握することは難しいです。
一方で下の画像(図8)は、「Water Vision」による、8月8日午前6時時点の解析に基づく、霧島市隼人町日当山地区の浸水深の予測結果になります。写真はおおよそ赤い点の位置で撮影されていますが、こちらでは、浸水深1m前後という、実際の浸水深に近い値が再現できていることが確認できます。リアルタイムのデータを用いた「Water Vision」を活用することで、より的確なリスク情報を把握し、より良い備えが実現できるようになります。

図6:2025年8月8日午前4時頃、天降川が氾濫危険水位に達している様子(鹿児島県設置のライブカメラより)

図7:霧島市隼人町日当山地区周辺のハザードマップ。写真が撮られた場所は画面中央右寄りのエリアである(出所:霧島市)

図8:同地区のWater Visionによる浸水深の解析結果(2025年8月8日午前6時時点)
Water Visionの氾濫予測の強み
Water Visionは日本全域で河川水位と氾濫を約1.5日先まで予測するシステムです。約1.5日先までに予測し、判断に必要な状況把握を現場を待たずにつくることができます。Water Visionの氾濫予測は、東京大学生産技術研究所とJAXA(宇宙航空研究開発機構)で研究されているToday’s Earth Japan [https://www.eorc.jaxa.jp/water/index_j.html] の方法を活用しています。他の公的機関や民間企業の予測では6時間前までの予報が多いですが、Water Visionはそれよりもずっと前から氾濫予測を提供しています。詳しくはWater Visionの詳しい説明ページをご覧頂き、利用へご関心のある方は資料をご請求ください。
洪水の被害が出る前に
判断できる時間をつくる。
Water Visionは今回の雨で
いつ・どこが・どれくらい浸水するのか
を約1.5日前から可視化
リアルタイム洪水予測システム
詳しく見る災害対応判断・企業のBCP・拠点管理に
まとめ:2025年の水害は、企業の事前判断の重要性を示した
このように、2025年の洪水・水害においては、被害のリスクを事前に把握する重要性が確認できました。また、Water Visionでは気象や河川のデータを用いて洪水の浸水範囲や浸水深の事前の予測が可能であり、この情報を活用することで自治体や企業において、被害が発生する前に情報を発出したり対策を講じることが可能になり、被害の低減に繋げらると考えています。特に複数の拠点を有している製造、インフラ、不動産、物流、建設業界等の方々や、これらの企業への投融資を行っている金融機関の方々、また河川管理や危機管理に携われている自治体・公共団体の方々のご参考になれば幸いです。ご不明点などありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
よくある質問
2025年に日本で発生した主な洪水・水害は何ですか?
Water Visionでは何ができますか?
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