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2022年11月24日

気候変動の将来洪水リスク分析サービスを開始します

株式会社Gaia Vision(本社:東京都渋谷区、代表取締役:北祐樹)は、気候変動による将来の洪水リスクの全球高解像度データの独自開発に成功し、そのデータ用いた洪水リスク分析サービスを2022年12月1日より開始することをお知らせいたします。

「気候変動の洪水リスク将来分析サービス」の特徴

世界中で極端な大雨が観測されるケースが増えており、実際に様々な研究で洪水の発生数や影響が増加していることが示されています。このような気候物理リスクのデータは非常に少なく、公開データも使いにくいという課題がありました。そこで当社では、東京大学で開発された河川洪水ハザードモデリング技術を用いて当社独自に洪水シミュレーションを行い、世界中の洪水リスクの変化データの開発に成功しました。

このサービスは、気候変動の将来シナリオである1.5℃・2℃・4℃シナリオにおけるリスクの変化を世界中で分析することができ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などのサステナビリティ情報開示にも対応可能です。高い精度の洪水リスクデータを用いて自社の気候物理リスク分析を行うことで、投資家への説明責任と社内でのリスクマネジメント双方に利用ができ、企業のサステナビリティ向上に貢献します。

データの特徴

本サービスで利用する洪水リスクデータは、最先端の洪水ハザードモデリング技術と気候変動の将来予測データ分析技術を掛け合わせて作られた、高精度で高解像度なグローバルデータです。国内では30m・海外では90mの水平解像度という世界屈指の高い解像度で、過去の洪水事例も高い精度で表現していることを確認しています。 下図のように、気候変動がさらに進行すると極端な大雨が日本を含む世界の広い地域で増加し、洪水リスクの急激な増加が懸念されています。気候シナリオ分析のために金融機関等から求められている将来の洪水リスクデータは世界でも殆どありませんでした。一般的な気候データには降水量や気温等があるものの河川洪水は含まれておらず、当社では気候科学と水文学に基づいた膨大な計算を実施することで、河川洪水リスクのデータ開発に成功しました。

将来の4度シナリオでの極端な降水の変化量

■ サービス利用をご検討の企業様へ

本サービスでは、企業様がこれまで取得が困難とされてきた「高精度の気候の物理リスク」情報を、迅速にご提供することが可能です。気候物理リスクの分析や情報開示でお困りの際には、ぜひともウェブサイトのお問い合わせから弊社までご相談ください

■ 今後の展開

当社は気候物理リスク分析Webアプリケーション「Climate Vision(クライメート・ビジョン)」のベータ版を提供しています。本プレスリリースの「将来洪水リスク分析サービス」は、2023年1月頃にClimate Visionに実装される予定です。さらに、TCFD等のサステナビリティ情報開示に必要な財務影響評価などの機能も実装予定です。